バースプラン、バースレビュー
シュタイナー幼稚園の入園前の書類には、
妊娠中や出産の時のことを書く欄があります。
(園によって色々だと思いますが)
「妊娠期から子育ては始まっている」という考えが当たり前としてあるのですね。
長女がお世話になる予定の園でも、妊娠してから今に至るまでについての様子を書く欄が大体5行分くらい、ありました。
(本場ドイツではものすごく長いレポートを書く園もあるらしい)
ところが、あるシュタイナー園では、入園前に妊娠や出産について書いてもらっていたところ
「あまりにも出産がつらかった」ということを欄外にはみ出すほど長々とお書きになるお母さんが多数いらっしゃって、もう書いてもらうのをやめた、という話を教えてもらったことがあります。
助産師としてその話を聞いたとき、とても悲しくなりました。
お産を少しでもよくするためにできることってなにかと自分なりに考えると、
「バースプラン」「バースレビュー」かなぁと思い、ここに書こうと思いました。
妊娠中に生活リズムを整えたり体力づくりをすることももちろん大切だけど、
バースプランをたてることで考えることが前向きになって行動も変わってくることってありますね。
もちろん出産する施設にもよるし、その時の状況によって叶わないことも十分にありえます。
でもバースプランを考えておくことは、前向きな姿勢になります。
前向きな姿勢って、助産学科の教科書にも載っているくらいとても大切なことです。
出産には大切な3つの要素があり、「胎児・娩出力(陣痛といきみ)・産道」を
「分娩の3要素」といいますが、これに「母体精神」を付け加えて「分娩の4要素」と説明している教科書もあります。心と身体はつながっているんですね。
さて、そうはいっても「バースプランを〇〇週までに書いてきて」と言われても、
イメージが湧きにくいと思います。
そもそも何ができるの、と思いますよね。
よく音楽を聞くとかアロマを焚くとか誰に立ち会ってもらうなどがありますが…
出産時に行われるケアはWHOでは推奨されているのか、されていないのか、をもとに考えてみるのもいいかなと思います。(22年ぶりの改定です!)
「WHO ガイドライン ポジティブな出産体験のための分娩期ケア」と検索するとPDFになっているのを見ることもできます。
このガイドラインでは不必要な医療介入は推奨しない(例えば慣例的な会陰切開など)とする一方で、予防的に必要な医療は推奨しています。(例えば異常出血の予防としての子宮収縮剤の投与など)
事前にこういうことを知っておくことで、
じゃあ、「自分はどうしたいか」を医療者とどのくらい建設的に話し合えるか、
ちゃんと事前に対話ができるかが大切かなと思います。
産科はどんどん集約化されていますので、大きな病院ではどうしても医療者が忙しいという現状があります。
じっくり話を聞いてあげたい、という医師、助産師はもちろん沢山いますが、その時間が取れないという現状もあるのは確かだと思います。
そういう中でも医療者との対話がスムーズにできるようにできることを考えておくことは、
自分を守ることになります。
そうすることで医療者との間に起きるお産のわだかまりを
少しでも起こりにくくできるのではないかな、と思います。
ちなみに私は一人目、二人目の出産でそれぞれ一つだけ希望しました。
一人目のときは「早期母子接触(いわゆるカンガルーケア)がしたい。」
二人目のときは助産院だったので「自分の手で赤ちゃんを取り上げたい。」
でした。もちろん状況によって難しければ諦める、ということは事前に話し合いました。
事前に考えるのも楽しい、
実際はどう転ぶかな〜とドキドキするのも楽しい。
できればそういう前向きな気持で乗り越えていきたいですね。
長くなってしまったので、バースレビューについてはまた次回に。
あと最後にアミプラさん、好きです。