わがやのおだんごぱん

長女がいつも以上に楽しそうに幼稚園から帰って来た日。

「おじいさんからも〜おばあさんからも〜うさぎさんからも〜きつねさんからも〜」と

鼻歌まじりのごきげんな声が自転車の後ろの席から聞こえてくる。

 

その日は幼稚園で初めて素話を聞いた日だったらしく、ロシア民話「おだんごぱん」の話だったことを先生から教えていただく。

 

おだんごぱんは推薦絵本でもよく出てくるし、気になってはいたものの、なんとなく娘にはまだ読んだことがなかったお話。

初めて聞くおだんごぱんが、先生の語りで聞けてよかったなぁと嬉しく思いました。

 

その日、寝る前に電気を消したら「おだんごぱんたべたい」と長女。

「夜寝てる間にお母さん作っておいて。明日食べたいから。」と宿題を出される。

 

えーどうしよう。

 

おだんごぱん…。どうやって作ろう…。

夫は「ロシア民話なんだから絶対ピロシキでしょ。」

娘は「おさとうがいっぱい入った、あまーいパン。」

私は「とにかく素朴で、ほんのり甘いしっとりパン。」

 

ほらー、家族の間でもこんなにイメージするものが違う。

 

それぞれの頭の中で「おだんごぱん」を描くのが、語りの良さなのに。

「はい、これがおだんごぱんですよ」と正解を与えるようなことしたくない。

 

 

色々悩んだ末、その日の夜には作れず。

次の日の朝、やっぱりちゃんと宿題のことを覚えていた娘に話して、

お話の中のものとは違うかもしれない、

「今おうちの中にあるもので作った、丸く焼いたもの」を

我が家のおだんごぱんと呼ぶことにしようと無理に結論。

 

 

「粉箱を引っ掻いて集めた粉」からイメージして茶色くなるように全粒粉100に、

家に残っていた蜂蜜と牛乳を混ぜて作りました。

 

窓辺でふわ〜っと冷やして、逃げられる前に食べました。

 

12個も焼いたのに、あっという間に家族4人で10個売れました。

食べすぎじゃ…。