おなかの赤ちゃんは光を感じるか

https://www.amazon.co.jp/おなかの赤ちゃんは光を感じるか――生物時計とメラノプシン-岩波科学ライブラリー-太田-英伸/dp/4000296337

 

長女が話してくれた胎内記憶「うみのおばあちゃん」のお話の中で

「こっちがわはあかるくなくて、あっちがわはあかるい」

というところで疑問。

 

おなかの中で光を感じるのか???

 

手術室で働いていた時に見た子宮摘出や付属器(卵管や卵巣)切除の手術を思い出せば、

腹腔の中は真っ暗で腹腔鏡カメラはライトが点かなかったら何もみえないし、

ましてや子宮内なんて子宮筋の分厚い下でますます光が届くわけないよなぁ。

 

それじゃあ子宮口(子宮の出口)の光?うーん、でも子宮口はピッタリとしまっているはずだし、娘の話だと「だんだん狭くなった」頃に感じているようだから分娩が始まる前の(つまり子宮口が閉じている時)ことだからやっぱり違和感がある。。。

 

太田英伸 著「おなかの赤ちゃんは光を感じるか」によると

お母さんが日中に光を浴びることで夜中、メラトニンというホルモンが放出される。

そのメラトニン胎盤を通過して胎児に運ばれることで、光を感じているという。

そうして光を感じることで子宮内の胎児の生体時計は整えられるそう。

すなわちサーカディアンリズムはおなかの中にいるときから働いていて、

それが乱れると胎児の体重増加不良や早産の割合が増える。

夜勤のある看護師さんや時差ボケになりやすい客室乗務員の妊婦さんに見られ深刻である。

 

そういえば少し前に、夜勤と流産には相関があるというニュースもありましたよね。

www.carenet.com

なんと法律では妊婦の夜勤が禁止されていないので、甚だひどい話だと思うのですが。

職場に遠慮せずに妊婦さんは自分と赤ちゃんの身体を一番に考えていいはずです。

 

また光を浴びること以外にも、規則正しく食事を摂ることでさらに補強されるそうです。

光だけでなく他の方法でも補強できるような仕組みになっているほど、きちんと生活リズムを赤ちゃんに伝えることは大切で、発育に大きく影響を与える。

 

コロナの影響で引きこもりがちな妊婦さんも増えていると思うけれど、

人混みを避けた上でお外の光を感じて、もしあまり予定がなくとも生活リズムの整った生活ができるようにしてほしいなぁと改めて思いました。

 

 

 

さて本題の娘の胎内記憶に戻ると。

「あっちがわがあかるくなくてこっちがわはあかるい」はやっぱり不思議のまま。

 

間接的に光を感じることはあるけど、同時に明るい方と暗い方があることを知覚するという説明にはなっていないなぁ…。

ちなみに目の細胞的には妊娠40週以前から波長によっては光を受け取ることができるそう。