考えることは普通に暮らすこと 考えることは生きること
相沢康夫さんの絵本解説がYouTubeで
14日(日)午後17時までの限定で公開されていることを教えていただきました。
最初から最後まで、絵本にはここまで考える余地があったのかと、
じっくりと絵本を読むことの豊かさを教えていただきました。
できたら子どもには、大人が解説して見せるのではなくて
自分の力でこんな絵本の読み方ができるようになってほしいなぁ…。
自分で発見したときの喜びはとても大きなものだと思うので。
そのためにはまず自分が、こういった読み方が絵本にはあるんだよということを知れることはとても大きなことだと思いました。
個人的には昔話や超常現象は自分の子どもたちの今の年齢では絵で見せるには早いように感じていて(「このほんよんで」2020年秋号での松岡享子さん特別寄稿で話していらっしゃった内容に納得)今は娘には絵ではなくて言葉だけで伝えています。
が、大人である私にとって、相沢さんの解説がとても勉強になりました。
「3びきのこぶた」
私は恥ずかしながらウォルト・ディズニーに「改悪」されたストーリーしか知りませんでした。
「生き残るためには知恵を使いなさい」
この教訓を伝えるためには相沢さんのおっしゃるように狼も死ななくてはいけないし、
はじめの二匹のこぶたも、やはり食べられなくてはならないと思いました。
ちょっと動画の内容からは離れますが…
生きるためには知恵を使いなさい、と聞いて「津波てんでんこ」を思い出しました。
「津波が来たら親や先生のもとに戻ったりせずに、てんでばらばらに高台に逃げろ」、つまり自分の命は自分で守れという三陸地方に伝わる教え。
この教えを徹底していた釜石市では市内小中学生の99.8%が助かり「釜石の奇跡」と呼ばれているそうです。
知恵を使う、自分の頭で考える、ということはまさに生きることそのものです。
生きるためには考えなくてはならないのです。
津波だけじゃない。コロナ渦での暮らしのこと、近い未来を考えたらAIの普及する世の中で生きていくということ、自然災害が増えてきている中で生きるということ…。
折しも、先年亡くなられた安藤光雅さんの「かんがえる子ども」を読んでおりました。
考えるって、なんでしょう。
ー「数学の問題を考える」場合のように出された問題の答えを考えることだけではありません。「考える」ということは普通に暮らすことです。
「晩御飯のことを考える」だけでもたいしたことですし、「子どもを育てることを考える」としたら大事業です。ー
とはじまり、
ー教師は教えてお金をもらっているけれど、親は一文ももらわないで、子どもを育てています。真剣になって当たり前なのですー
とおわるとき、ボロボロっと涙がこみ上げました。
きちんと暮らすこと、心を動かすこと。
考えることを他者に任せないこと。大切にしなくてはならないなぁと思いました。
それにしても安野さん。
・子どもは誰でも空想の世界で遊んでいる
・時間や空間のとらえかたはこどもとおとなで違う
・人生の価値観に疑いを持つような時期の子どもとのつきあいは、とても難しい
・ほんとうのことが書いてある本がいい
・自然に「触れる」のではなくて、自然と「一緒にいる」
・自然というものを畏敬の念をもってみる
まるでシュタイナー関係の人のように感じるのは私だけですか?
以前見学に行ったシュタイナー幼稚園の先生が、
「シュタイナーは特別なものと思われがちだけど、昔から言われているおばあちゃんの教えのような考えに近かったりする。」
とおっしゃっていました。
本当に子どものこと、人間のこと、を考えていると自然と同じような考えにつながるものなのですね。
さて震災から10年。節目の時に「生きること」「考えること」について考えることができてよかったです。なんだか日本語が変?